堀田善衛 『広場の孤独』
コミットメント 行動 孤独 組織 歴史
沖縄 横須賀 原子力空母 汚染 PCＢ 投機 株価
世界 米ソの対立 ならず者国家 中国 武力 メカニズム
湾岸戦争 コソボ アイルランド アフガン アジアの国々
マッカーシー旋風
北朝鮮 『敵』 時代の変化 新聞社
共産党弾圧 戦争 冷戦 中国革命
決断 モーリャック対サルトル ジイド インテリ
事実 受け入れ態勢 思想とは何か 日本人 知識人 生活
京子 ドイツ大使館 国際関係 二重スパイ
★御国 パージ 同調者 曖昧なものがない 永久に戦い争うものの論理ではないか
国際情勢と人間 個人生活 [武田 非革命者]
3日間の出来事 S新聞社 あやしげな資本 生活の喜び40b
木垣 不決断 判断停止 職業 生きる 現在 comittment
集英社文庫
9 北朝鮮軍 敵と訳すか
東亜部兼渉外部長 曾根田 『お社用部長』
戦争中 サイゴンで仕入れたというしゃれた防暑服
11 comittment
12 土井 二世 二十七、八歳 戦争中憲兵の通訳 コミットメント
14 二年前 Ｓ新聞社をやめ
経済危機 出身のあやしげな資本 従業員組合大会 Ｓ電工事件関係者
16 思えばあの頃から、国民の社会は底の方で揺れ出したのだ……。
カトリック信者
17 輪転機の、あの唸るような呼び声 日本が完全に独立するまでは
凄烈な戦争の記事 煙草をふかしながら翻訳 今日で十日目
18 OＡ通信も 戦争の当事者たる米国人
モーリャック対サルトル ジイド インテリ コミットメント23 号外を売り歩く鈴の音が聞える。共産党弾圧のニュースが広まってゆく。しかしこれを全然弾圧と思わぬ人もいる筈である。
29 思想が悪い、ってんでしょう。特に副部長の原口がね
32 1950年7月某日 木垣幸二という特定の人物 ‡どこの誰でもいい任意の人物
34 生活 労働 (→「道楽と職業」) →
38 横浜 ＊42 張国寿 妻子 上海 ＊労働者 ＰＤ工場
◇仕事40 †40 生活
45 立川 工場 木垣の探偵小説 *46 とどのつまり犯人になってしまう
46 行動においてはじめて充実する虚無
46 「戦争犯罪の巨魁の一つは、何といっても新聞ですよ………一番の元凶………」
48「別の生活」選択ではないある位置
52 誰の味方でもない 裸にされた
53 孤独
55 裸で十字路に立っているような気がする 裸(ネーケッド)なのは君だけではない
57 子供を起すくせ 窒息した子供の静かな寝顔
59 44「前線基地」日本の最前線の一つである、飛行場
61 ヨーロッパには妻子とは………しかもゆきどころのない人が、キャンプに何万人となくな収容されている。
＊朝鮮にも、沢山の不幸な人が出来ただろうが………
近代史にかつてないほどの人間悲劇ヒューマン・ディザスターだ
ハントはまだこの近代史を＜幸福＞という側から考えることができるようであったが、木垣には＜惨劇＞の方が先に来た。
62 軍需品をつむらしいトラックの一隊がサイレンを鳴らすジープに先導されて疾走して行った。子供を親の手から奪うという魔王のような冷たい風をまきおこして。トラック隊の行先に、すぐそこに、爆裂し赤々と燃え上がるものが見えそうに思われた。
＊飲み屋 労働者 飛行場 戦争中はシナや南方やらの飛行場
そっくりそのまま進駐さんにひきつがれてな、もう十年になるわい
63 日本の戦争の手伝いをしてサ、いまア、またアメさんの戦争の手伝いだサ
64 戦争ちゅうもんは、なんちゅうても、景気のいいもんやな
＊共産党の天下になれア、これ……だよ、ナ？
65 ジープ
彼ら人夫たちが、彼を鼠のように人をうかがうスパイと見たことは、もとより悲しいことであったが、………最も国際情勢に通じている筈の外人記者たちと、あの人たちとの差異は、要するに使用する言語の技術性だけではないか。
＊白いシャツを着た若者の鋭い眼差しが………
66 鼠 ジェット機の噴射音 彼女 木垣もまた、船の鼠なのかもしれぬ。
彼は外へ出て空を仰いだ。夜目にも明らかな銀色の巨大な機体が四つの青白い火を吐いて西の方へ飛び去った。飛行機のいなくなった後の空には粒の大きい夏の星が輝いていた。
67 木垣は白シャツの若者の目つきをちらと思い出し、
「要するに、日本は誰の味方でもない、日本はアジアの東の端の方にある国だ、という話さ」
と、 いくらかとげとげしく片づけた。
66 赤十字のマーク 救急車 朝鮮からの負傷者
67 ハントは、金属とガラスで出来た清潔な箱の中に流血する人間をのせた車の列を指さして、
「あれでもか？」
と、念を押すように云ったが、木垣は答えなかった。答えるためには車を降りてかからねばならぬ、………
68 二世だった土井 戦争中に一つのコミットメント 日本の憲兵隊の通訳になった
米国の市民権を失って 日本人にもなり切れない………
69e 日本は世界の焦点 『誰の味方でもない』………
70e あたかも木垣が多数の人々を代表して何か重大な生命でも発表したかのような響きを帯びていた。
＊おれはしかし、果して日本の味方か、どうすることが日本の味方をすることなのか。資本家や新聞のように、この戦争に、この国際対立に張り込んでゆくことが味方をすることなのか――。
71 ハント あかあかと灯あかりのついた工場を指した。
川崎の重工場地帯 この前の戦争の跡はまだ生々しく残っていた。焼跡の骨のような鉄骨が夜の底で天に突き刺さっていた。両手をさしあげて何かを祈っていた。その直ぐ横の工場は、焼けた工場の骨や頭蓋などに何の関係もないかのように、徹夜で、生きていた。めらめらと朱色の焔を吐きながら。戦争による廃墟のど真中に立った工場が、再び戦争によって、しかも戦争のために、動いているとはどうして信じられよう。そして万一あの工場が戦争のために働いているとしたら、そこに働いている人々がどうして孤独でないと云えようか。木垣はこの激しい対照を眺めながら、自分の気持の基調が生きた工場にはなくて、死んだ工場の荒れ果てた風景にへばりついているように思った。
72 ハワード、君は生きた工場を基調にして考え、僕は戦争による廃墟を基調にして考えているようだ。
72 横浜 ヨコハマ
74 ティルビッツ 祖国 国際連合
79 女 彼女が生れて育ったらしい日本の田舎の臭いが残っていた。
84 ＜われわれ＞――とはそも何か
88 動乱や革命 人間的な理由にはじまって非人間的な結果を生む
100 1300ドル 52万円
102 木垣 戦争の初期 眼を瞑るために結婚 召集解除
短い軍隊生活 護符を破る
祖国 皇軍 万世一系 思考の消滅した、救いにも似た晦冥な世界への変容
香港 上海 京子 ドイツ 青年 重慶
106 御国 祖国 あなたのいう祖国
107 ニュースと称するもの 活字
戦後5年になるけれども、まだわれわれのあいだには統一的な祖国の姿というものが、誰の目にもおの位置の不安定さを重要な契機とするほかには、おもいうかべようがないのだ、
テルビッツ ハント 張国寿
108 原口 日本のインテリ 国を亡ぼす
＊考えもせずに目前の利害の尻馬にのってうろうろする奴こそ国を亡ぼすんだ
109 ハント『奇妙な日本知識人の愛国論』
日本の知識人たちは………国際情勢の認識にかけては、驚くほど感傷的で幼児程度でしかない。或る者は日本の孤立孤独を強調するが、緊迫した情勢、特に朝鮮戦争以後はどこにも孤立も孤独もありえないことに気付かず、気付いていながらも敢えて眼をつぶろうとする。………………
101 虚構 希望 現代
110 国際政治 人間の理性を越えてしまったところで、戦争を唯一のリアリティとした怪物的な論理で、というより組織で運んでいるように思えてならない
110 曖昧なものの影がない
111 孤独
113 選択 選ばない自由などは自由ではない
正社員 <さまよう悪魔> “Stranger in town”
114 任意の人物 台風の眼(134) 予見不能の地域 魂
虚点 [広場の孤独]
台風の中心にある眼の虚無を、外側の現実の風を描くことによってはっきりさせる――
予見不能の地域、台風の目 魂とよばれるもの
この＜小説＞の題名 Strangerin Town 広場の孤独
＊同調者 原口 保安隊
＊無色透明 魑魅魍魎
116
117 警察保安隊
119 思想が悪い 不決断で機会を逃したもの
123 戦争中 香港で、上海で、サイゴンで、シンガポールで、日本人の車や靴を磨いていた少年たちや……
御国 パージ 共産党員 同調者
曖昧なものがない 永久に戦い争うものの論理ではないか
民族問題
124 人間惨劇 政治 武器をとらずして解決出来るていの問題であろうか
＊判断停止 1950年夏、二十世紀の分水嶺で判断の停止をしている。
＊彼は何者か 彼は何をしているか
＊占領軍の女兵士 木垣のようにあっちを見たりこっちを見たり、きょろきょろしていなかった。
128『今僕は』この後につづく言葉が、一生を別様に変革したかもしれなかった。いま、それは現在である。一切は現在に含まれている。1300ドルも共産党も警察保安隊も、正式入社も、＜小説＞を書こうかということも、また京子と赤ん坊の籍のことも、法律上の「妻」も、アルゼンチン逃亡も、更には何年か後の戦争と平和も、それ自体一つ一つ切りはなして考えれば、矛盾することはもとより、対立し、敵対するものすらが、彼の現在に含まれているのである。
130 張 ニューヨ−ク ＊ハント 誕生日 ニューヨーク ナイトクラブ 細君
ハント ハノイ行き
134 自分の思考乃至同様の中心部に、ぽっかりと暗い穴、台風の眼のようなものがあって、さまざまな相反する判断が敲ちあってウ荒れるはずの思考の魚が、……その穴、その眼のへ中に吸い込まれてゆくように思われた。
135 君たちはまだはっきりとは戦争じゃないと思ってるかしらんが、実際は国連対北朝鮮の生きるか死ぬかの戦争なんだから
140 これからは あの人はアメリカ派、この人はどこどこ派って争うようになりますわ◆◇生活から逃亡したいという夢
142 ティルビッツ パナマ船籍 パナマ国旗の下に戦略物資や禁制品を敵国や準敵国に
こんな世の中ですもの、なんだってありうるわ、anything happensよ
143 ひとりでも行くか……どうしても日本を……
＊ひとりだと……あたしはやっぱり枯れ死んでしまうかもしれません。
新聞 四段抜きの見出し 『全面講和は期待薄。軍事基地反対は理想論』
いずれか一つにコミットしてゆき、その対立者と対立することの方が、安易なのである。
144 3年前の冬
雨ニモ負ケテ
風ニモ負ケテ
アチラニ気兼ネシ
コチラニ気兼ネシ
ペロペロペロペンガコウ云エバハイト云イ
ペロペロペロペンガアア云エバハイト云イ
アッチヘウロウロ
コッチヘウロウロ
…………
…………
145 酔って詩を読んだ青年はどういうものか後にカトリックに入信した。
149 1950年7月 報道関係を皮切りとして、日本の全産業に及んだ赤追放 レッドパージ超憲法的措置
156 テルビッツ 金 もやしたりはしない
他人全部が不安なとき、安心していられるのが貴族 売春婦に似ている
156 性
159 光りはクレムリンの広場とかワシントンの広場とか、そういうところにだけ、虚しいほど煌々と輝いているように思われた。そして彼はそこにむき出しになっている自分を感じた。生れてはじめて、彼は祈った。レンズの焦点をひきしぼるゆな気持でまず書いた。
広場の孤独
と。
京子 1300ドル 当時 360円 52万円
テルビッツ 旧オーストリア貴族 ナチに追われた
コミットしない 日本の現実にコミットした
軍需工場で働く労働者 孤独ではない
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